翻訳ブログ

山口県の翻訳・DTP会社チヨマキ・ワードのCHIYOKOです。

「debris」を見ると必ず思い出すことがある。もう20年くらい前になるだろうか、和訳チェックで「デブリス⇒デブリ(debris)」って朱記を入れたら、その上から二重線で「デブリスでOK」ってさらに朱記を入れられた。社内翻訳者だったころのことだ。

「いやいや、絶対にデブリだから。」と食い下がったのだが、「客先用語でデブリスです。」と当時の担当者から冷静なトーンで返され、「こっちが絶対正しいのに・・・デブリス!?」って事務所内でキレ気味になったのを憶えている(注:辞書によっては「デブリス」の記載がある場合もある)。今なら「了承しました」の一言で幕引きとなるのだが、当時は若く、怖いものなしで「絶対」とか普通にあるって思ってた。

いずれにしても「絶対」ってのはない。そして、「正しいかどうかは最終的にはお客様が決める」ってルールも分かる。もちろん、翻訳を担当する立場での意見は丁寧にお伝えするとして、その機器が使用される場面やその会社の歴史を含む様々な背景や企業文化等を鑑みて、どの表現が適切なのかは、原稿だけしか知らない翻訳者の私が決めることではないのも理解できる。「デブリなのかデブリスなのか」ではなく、お客様とのコミュニケーションが重要事項だ。

経験は生かされ、今では作業開始前に頻出用語は確認し、その上で納品時に気になる点はコメント等を添付しているので、同じことが起きたとしても特に問題にはならないだろう。お客様にも気になる用語等はあらかじめ支給してもらうように丁寧に説明させてもらっている。準備8割本番2割ってことで、作業もスムースだ。

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